2013年 02月 23日
【4】越冬ヒシクイのスナップ写真集 「雁の里親友の会」事務局の池内俊雄様(宮城県大崎市)には、ヒシクイの亜種分類や生態等に関する 実践的な知識をたくさん教えて頂きました。 心より感謝致します。 ※参考:「雁の里 親友の会」、「オオヒシクイ Q&A 50」 ※写真をクリックすると、大きくなります <賢く平和に生きる> ヒシクイは家族や群れの中では、鳴き声や動作で双方向の意思疎通を行います。このため滅 多に喧嘩を起こさない、平和主義的で賢い鳥だそうです=2013年02月06日夕方 いつものことながら、カラスが近寄ると食事は中断します=2013年2月16日夕方 見張り役の亜種オオヒシクイ(中央)が雁首(がんくび)を立てながら、右側のカラスに激しく威嚇(いか く)しているようです。 なお、見張り役は交代制のようですが、大きな緊張時には全員が一斉に雁首を立てます。その後、見 張り役が2割以下に減ったら、群れとしての緊張が解けたと思っていいようです =2013年02月20日午後6時過ぎ 亜種オオヒシクイは長い首を余しながら、耕された土の塊を持ち上げました。沼に生きる野性の荒々 しさを見た思いです=2013年02月20日夕方 真冬の日暮れは早く、暗い田んぼを少しだけ垣間見ました。 この水田には食糧が豊富なため、夜でも目が見えるヒシクイは落ち穂や二番穂をお腹いっぱいに食 べているようです。 また、深夜もここに留まって、塒(ねぐら)にしているものと思われます=2013年01月25日午後6時過ぎ 雨の中でも、食事に余念がありません=2013年02月05日夕方 降雨対策として、私はカメラのレンズにはレインコートを装着していましたが、ヒシクイの上面の羽もし っかり雨粒をはじいています=2013年02月05日夕方 <貴重なマナヅルとの出会い> 夕方、マナヅルが採食している所に、ヒシクイたちが帰ってきました=2013年01月27日夕方 大きなマナヅルが近づくと、始めのうちは少し警戒をしていました=2013年01月27日夕方 マナヅルと一緒に採食していたら、近くをオオタカが通過しました。 これに驚いたヒシクイたちは、一目散に冷たい海上へ逃げ出しました。岸辺で見ていた私たちは寒く て震えていましたが、ガン類は暖かいダウンを身に着けているため、41℃の体温を保つことができる そうです。結局、約15分後には、再び餌場へ戻りました。 一方、マナヅルは、オオタカが横を通過しても平然としていました=2013年02月08日夕方 ヒシクイたちは食事を終え、いつものように海の方向へ飛び立ちました=2013年01月29日午前 <海岸近くの砂洲では・・・> 一方、昼間は河口近くの海岸(砂洲)で過ごすこともありました。このシーンは、クロツラヘラサギの目 前で海に浮かぶヒシクイたちです=2013年01月06日昼 満ち潮で砂洲が水没寸前になったので、ヒシクイたちは沖へ飛び去るタイミングを計っています=2013年01月25日夕方 このヒシクイは、水を飲むために首を持ち上げる動作はしませんでした。もしかしたら、食べ物を砂肝 (筋胃)で消化するのに、直径が2ミリ前後の砂礫が必要だそうです。砂肝に取り込んだ砂礫は、3~ 5日ぐらいで完全にすり減って体外に排出されてしまうので、新たに砂礫を補充しているのかも知れま せん=2013年02月02日夕方 ここでも、砂の上の何かを食べているようです=2013年02月02日夕方 ノリ養殖網の上を飛びながら、餌場の水田へ帰ります=2013年01月24日夕方 <雁行(がんこう)> 雁行は速い時には時速100㌔にもなるそうです。 この日は頭上を通過したため、その速さを実感させられました=2013年01月30日夕方 珍しく、陸地上空での雁行を見せました=2013年02月03日夕方 「もっと低く飛んでよ!」と言いたいところですが・・・・=2013年01月30日夕方 <最後に・・・> 地元の富合町には雁回山(木原山)と呼ばれる標高314mの里山があります。伝説によれば仁平 元年(1151)源為義の八男為朝は、13歳のとき九州におわれ、豊後に根拠地をおき、阿蘇氏と結 び、鎮西八郎為朝と称して九州一帯を荒らした。木原氏に寄った為朝は、木原城を居城とし、この山 をかける雁は為朝の剛弓をおそれて列を乱し山を廻った。これから木原山を雁回山というようになっ たと伝えられている。(「富合町のホームページ」より) また、雁の里親友の会事務局の池内俊雄氏によれば、細川家が所有するものの中に、宮本武蔵が 描いた雁の二双の屏風絵があります。一双はハクガン、もう一双はマガンらしきガンが描かれていま す。多分、天守ではなく本丸御殿にあったと思われる襖絵(あるいは板戸絵)には、マガンがくっきり 描かれていて、もしかしたら熊本の白川には雁がきていたのかもしれません。後者の絵は、今でもお 城の中に展示されているかと思います-ということです。 昔はガンが毎年来ていたかもしれない-というロマンに浸りつつ、来季もガンたちが飛来するよう願 っております。 ヒシクイの越冬(1)へ
by sira-tori
| 2013-02-23 23:50
| ヒ
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