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2013年 02月 23日

ヒシクイの越冬(1)

県内では、稀な迷鳥として湖沼、水田、湿地などに生息するようです。



昨年末に飛来したヒシクイたちが2月下旬まで越冬しました。その中には県内では稀な亜種ヒシクイ7羽が含
まれるなど、貴重な越冬シーンの一部をカメラで記録しました。

なお、「雁の里親友の会」事務局の池内俊雄様(宮城県大崎市)には、ヒシクイの亜種分類や生態等に関する
実践的な知識をたくさん教えて頂きました。 心より感謝致します。

  ※参考:「雁の里 親友の会」「オオヒシクイ Q&A 50」




【1】主な観察日記 (地元Mさんの情報に感謝致します)

2012年12月21日 ▼午前8時過ぎ、東方向からヒシクイ8羽(亜種オオヒシクイ1羽、亜種ヒシクイ7羽)が
               早期米の二番穂が粗耕起された「水田A」に飛来した。その後、近くの飼料米の落ち
               穂を食べに「水田B」でしばらく採餌して、南西方向へ飛び去った。
                ※翌日以降も、水田Aや水田Bで採餌していた。

2013年01月05日 ▼午後15時47分、カリガネ1羽が近くのクリークで泳いでいた。
                ※1月2日頃からヒシクイ8羽が雁行中に、9羽目の「小さな雁」が水田B付近の上
                 空で加わり、途中で離脱した。なお、カリガネの終認は10日頃-。

              ▼午後4時過ぎ、水田B近くの海岸(砂洲)で、ヒシクイ8羽が休憩していた。
                ※ヒシクイたちは、河口から約2キロ㍍離れた海岸近くの海上に浮かんだり、砂洲の
                 上で休憩していた。
                ※この砂洲は潮が満ちると沈むために、明るい昼間なら沖へ飛び去り、夕方であれ
                 ば水田Bに直行した。

              ▼夕方、東方へ3キロ㍍ほど離れた早期米の二番穂が粗耕起された別の水田では、新
                たに亜種オオヒシクイ4羽が採餌していた。
                ※翌朝、この4羽は水田Aで、先に飛来していたヒシクイ8羽に混群した。

2013年02月22日 ▼夕方、ヒシクイ12羽が水田Bで採餌していた。
                ※これが12羽全員による越冬の最終日となった。

2013年02月23日 ▼夕方、亜種オオヒシクイ1羽だけが、水田Bで採餌していた。
                ※翌朝以降、この個体も見掛けなくなった。








  ※写真をクリックすると、大きくなります

【2】はじめに学んだこと

 今回渡来したヒシクイたちは、寒さが厳しいなどの条件で朝鮮半島を経由して南下したものと思われ、韓国
に越冬する一部が渡ってきたのではないか-と推測されるようです。


   ★亜種ヒシクイの特徴
      上嘴と下嘴の間に、舟形に大きく空いているところがあり、ここを「ゲイブ」と呼ぶそうです。また、嘴
      基部の高さの割りには、嘴が短いようです。一方、首は短いようですが、乾いた田んぼでの採食が
      主体のようなので、これで充分のようです=2013年02月06日
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   ★亜種オオヒシクイの特徴
      嘴のゲイブは大きくは開いておらず、嘴基部の高さの割には長くてスマートです。また、体も亜種ヒ
      シクイよりも大きいです。
      一方、首は長いようです。嘴を地面につけて食べている時に、長い首を余すためにΩ形に見えるこ
      とがあります。本来は、沼の中に顔や嘴を突っ込み、ドロドロになりながら植物の根っこなどを採る
      ために長い首が必要になるようです=2013年02月06日
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 ヒシクイは4つの亜種に分類されます。しかし、それぞれの境界(特徴)は明瞭ではなく、連続して変化するク
ライン(傾斜)があるために、上記の特徴に当てはまらない個体もいるということでした。
この話を聞いて、亜種ヒシクイは平地に適した進化を遂げる一方で、亜種ヒシクイは沼付近を中心に生息すと
なれば、その中間域に生息するヒシクイの体形はどうなる? などと思いが広がりました。






【3】節目のシーンです

     
     昨日、ヒシクイ8羽が飛来しましたが、今朝は水田Aに降りていました=2012年12月22日

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     少し大きく見えるヒシクイが、翼を大きく広げています=2012年12月22日
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     ヒシクイたちは食事を終え、海の方向へ飛び立ちました=2013年01月03日
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     ヒシクイ8羽の降下シーンです。
     内訳は、亜種オオヒシクイが1羽(⑤)と亜種ヒシクイが7羽のようですが、画面上に物を当てて長さを
     比べれば、⑤の体長が長いことが分かります=2013年01月03日
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     ヒシクイ8羽が飛翔中に、小さな雁が合流しようとするシーンを何度か見ました=2013年01月02日
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     先日の合流シーン辺りの用水路に、1羽のカリガネがいました。この個体が9羽目の小さな雁だった
     かも知れませんが、数日後には見掛けなくなりました=2013年01月05日夕方
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     夕方近く、海岸に目配りすると、なんと8羽のヒシクイたちが沖の砂洲にいました=2013年01月05日夕方
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     更に、3㌔ほど離れた別の水田には、亜種オオヒシクイ4羽が飛来していました=2013年01月05日夕方
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     翌朝、水田Aで昨年末に飛来したヒシクイ(亜種ヒシクイ1羽、亜種オオヒシクイ7羽)の群れに、昨夕
     飛来した亜種オオヒシクイ4羽が混群していました。群れは12羽となり、水を飲んだり座り込むなど、
     すっかりリラックスしていました=2013年01月06日朝
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     冷たい北西の風が吹く夕方、風上からヒシクイ12羽が竿型(一直線)の雁行(がんこう)を見せながら
     帰ってきました。ちなみに亜種オオヒシクイの飛行速度は時速70~80キロ㍍程度と思われています
     が、速い時には時速100キロ㍍にもなるそうです=2013年02月09日夕方
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     その後、見事なV字型の列をつくり、近くの餌場へ直行します。
     先頭を飛ぶのは成鳥や幼鳥に関係なく、適宜に交代しながら雁行するようです。特にリーダーがいな
     いので、常に鳴き声によるコミュニケーションで飛行方向や個体の存在を確認しながら飛んでいるそ
     うです=2013年02月09日夕方
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     多くの日は西方向から進入し、半周ほど旋回しながら東方向から着地しました=2013年02月16日夕方
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      幅広い翼を広げ、静かに水田Bへ降り立ちます=2013年01月16日夕方
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      餌場へ到着した直後は、雁首(がんくび)を上げて辺りを警戒します。しかし、すぐに食べ始める者も
      います=2013年02月20日夕方
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     夕方、いつもの餌場(水田B)には、亜種オオヒシクイ1羽が飛来していました。
     しかし、翌朝には姿を見ることが出来なかったので、これが越冬最後のシーンとなりました=2013年
     02月23日夕方
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by sira-tori | 2013-02-23 23:52 |      ヒ


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